有限会社の取締役が1人になったときの手続
代表取締役A、取締役Bの有限会社において、取締役の1人が死亡又は辞任したことより、取締役が1人になった場合に必要となる手続を解説します。
有限会社の定款の定め方により必要な手続が異なります。
取締役Bが死亡又は辞任した場合の手続
取締役Bが死亡したときは当然退任することになるのですが、取締役Bが辞任したときは、定款で定めた取締役の員数を欠くことになるので、後任の取締役が就任するまで取締役としてのその職務を行う権利義務を有する者となり、後任取締役の就任登記と同時か又は後でなければ、取締役Bの辞任による退任登記を申請することはできません。
取締役Bの死亡又は辞任により、定款で定める取締役の員数を欠くことになるので、後任の取締役を選任することになります。
後任取締役が就任したときは、後任取締役の就任登記が必要になります。
これにより、代表取締役Aの地位に変動を生じることはありませんので、代表取締役Aについては何ら手続は必要ありません。
この場合は、取締役は1名いれば足りますので、取締役Bが死亡又は辞任により退任したとしても、後任の取締役を選任する必要はありません。
この場合、代表取締役Aの地位に変動は生じないのですが、有限会社において代表取締役の氏名が登記されるのは、他に代表権を有しない取締役がいる場合に限るとされているので、取締役がA1人になったことにより代表権を有しない取締役がいなくなってしまうので、登記手続においては、取締役Bの退任登記と代表取締役Aの氏名抹消登記を申請しなければなりません。
代表取締役Aが死亡又は取締役を辞任した場合の手続
代表取締役Aが死亡したときは当然退任することになるのですが、代表取締役Aが取締役を辞任したときは、定款で定めた取締役の員数及び代表取締役の法定員数を欠くことになるので、後任の取締役及び代表取締役が就任するまで(代表)取締役としてその職務を行う権利義務を有する者となり、後任取締役の就任登記と同時か又は後でなければ、代表取締役Aの辞任による退任登記を申請することはできません。
代表取締役Aの死亡又は辞任により、定款で定める取締役の員数を欠くことになるので、後任の取締役を選任することになります。
また、定款の定めにより代表取締役は取締役の互選で定めるとなっていますので、取締役B及び後任取締役のどちらかをその互選により代表取締役に選定します。
互選により取締役Bを代表取締役に定めたときは、取締役A及び代表取締役Aの死亡又は辞任による退任登記、後任取締役の就任登記、取締役Bの代表取締役の就任登記を申請します。
この場合は、取締役は1名いれば足りますので、代表取締役Aが死亡又は辞任により退任したとしても、後任の取締役を選任する必要はありません。
この定款の定めは、取締役が複数名いるときは、代表取締役を取締役の互選により定めるが、取締役が1人になったときは、当然その者が代表取締役になるものと解することができるので、代表取締役Aの退任により取締役Bは当然代表取締役に就任することになります。
有限会社の代表取締役の氏名が登記される場合は、代表権を有しない取締役がいる場合に限られますので、取締役Bが代表取締役になったとしても、取締役はBのみであり、他に代表権を有しない取締役は存在しませんので、代表取締役の就任登記はすることができません。
登記手続は、取締役A及び代表取締役Aの死亡又は辞任による退任登記を申請します。
この登記申請は、Bが代表取締役として申請しますので、申請と同時に法務局に印鑑登録(印鑑届書の提出)が必要になります。
