合同会社の社員が死亡したときに必要な手続を解説します。

 

社員の死亡は、法定退社原因ですので、死亡した社員は当該合同会社を退社します。

 

持分(社員たる地位)の相続について

合同会社は社員同士の信頼関係により成り立っている組合的組織ですので、社員が死亡したときはその持分(社員たる地位)は相続の対象にはならないのを原則とします。

 

この場合、死亡した社員の相続人は、死亡退社に基づく持分の払戻請求権を相続することになります。

 

ただし、定款で死亡した社員の持分を承継する旨の定めがあれば、死亡した社員の持分を承継した相続人は当該合同会社の社員になります。

 

定款の定め方にもよりますが、定款の定めにより持分を承継した相続人は、他の社員の同意がなくても当然に当該合同会社の社員になります。

 

定款の定めにより持分を承継した相続人が社員になることを他の社員の承諾を得ることを条件する旨を定款で定めることも可能であるとされています。

 

このように、死亡した社員の相続人がその持分を承継して社員になるかどうかは定款の定めによりますので、社員死亡後の手続を行うには、自社の定款を確認する必要があります。

 

なお、相続人による持分承継に関する定款の定めのない社員1人合同会社の社員が死亡したときは当該合同会社は解散することになります。

 

死亡した社員が業務執行社員だった場合

定款に持分承継規定がある場合でも、承継するのは社員の地位であって、死亡した社員が業務執行社員又は代表社員であったとしても、業務執行権及び代表権は承継の対象にはなりません。

 

持分を承継した相続人を業務執行社員にするには、定款の定めが必要になりますし、代表社員にするには定款又は定款の定めに基づく業務執行社員の互選により、あらためて選定する必要があります。

 

なお、定款で業務執行社員についての特段の定めがない合同会社の場合、すべての社員が業務執行社員になりますので、持分を承継した相続人も、当然に業務執行社員になります。

 

共同相続の場合

持分を承継した相続人が複数(共同相続)の場合、共同相続人が1個の社員たる地位を準共有することになり、社員権を行使する場合には、共同相続人のうちの1人を社員権を行使する者として指定する必要があります。

 

遺産分割協議により共同相続人のうちの1人を持分承継者とすることの可否
肯定説と否定説があります。

 

合資会社の有限責任社員の死亡についてですが、登記実務では、遺産分割協議により持分を単独相続した場合でも、当該相続人のみの加入登記をすることはできず、一旦、共同相続人全員の加入の登記をした上で、相続人間における持分譲渡の登記をすべきとされています。

 

なお、特定の相続人1人に合同会社の持分を承継させたい場合、その旨を定款で定めることも可能とされていますが、この場合、特定の相続人に対して合同会社の持分権を相続させる旨の遺言を作成しておく必要があります。

 

合同会社の社員が死亡したときの登記手続

死亡した社員の退社登記
死亡した社員が業務執行社員だったときは、死亡による退社の登記が必要になります。
業務執行権を有しない社員が死亡したとしても、業務執行権を有しない社員は登記事項でないので、登記の必要はありません。

 

持分承継した相続人の加入登記
相続による持分承継により加入した社員が業務執行社員であるときは、社員加入の登記が必要になります。

 

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